政府が掲げる「異次元の少子化対策」の原案が判明しました。所得制限を撤廃し、児童手当については高校生まで月に1万円を支給する方針です。
岸田文雄首相が議長を務める「こども未来戦略会議」ではさらに、少子化対策の具体策や財源の議論を進めています。
6月までに考え方をまとめたうえで、経済財政運営の指針である「骨太方針」に反映させるとの方針を示しました。
まさに「異次元」の発言ばかりをくり返す岸田総理。後先考えない政策はいったいどこまで続くのでしょうか。
今朝の新聞一面に「児童手当 高校生にも」との記事。
まるで子育て世帯の経済負担を軽減するような書きぶりなので、これを読んだ人は「また子育て世帯だけ優遇して…」と感じそう。16〜18歳の扶養控除を廃止する検討については記載なし。 pic.twitter.com/GdbLqESTaS
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) May 24, 2023
これまでの子育て支援策は大失敗?!今までの岸田総理の発言5選
これまでの岸田文雄総理大臣の子育て支援策に関しての発言をまとめました。
- 子ども政策で予算倍増のベースは?と野党から問われた際「防衛力と比べても見劣りしないということを申し上げている。」
- 若い世代から『ようやく政府が本気になった』と思ってもらえる構造を実現すべく、大胆に検討を進めてもらう。」いままで本気出してなかったってことですか…
- 「内容を具体化したうえで必要な財源を考える。」考えてから来てください…
- 「何よりも大切なのは、子どもたちの意見を聞き、実際に政策に反映させることだ。」聞いてます?
- 「子どもファーストの経済社会を作り上げ、出生率を反転させなければならない。」妊産婦にも同じこと言えるのでしょうか…
突っ込みどころが多く、行き当たりばったりの発言が気になりますね。
最新の少子化対策で検討中の政策案
政府の少子化対策では、児童手当の拡充など優先度の高いものから段階的に進める方針で、必要となる財源は年間3兆円程度としています。
児童手当の拡充については1.2兆円を確保し、「家庭環境にかかわらず子育てを支援すべき」との意見を踏まえて所得制限を撤廃するほか、現在、「中学生まで」となっている支給期間を「高校生まで」とします。
支給額は月に1万円で第3子以降については、3歳から小学生まで現在の倍となる月額3万円とする方針です。
財源を確保するため、社会保険料の上乗せなどを想定していますが、法整備が必要なため、実際に負担が増えるのは早くても2026年度からになる見通しで、足りない分に関しては「つなぎ国債」を発行する予定です。
関連記事:東京新聞「倍増はいつ?子ども関連予算は2.6%増止まり こども家庭庁発足初年度 保育現場の負担増策盛り込む」
案が成立すると起こるデメリット:扶養控除の見直し
現在の児童手当は、中学校を卒業するまで(15歳の誕生日を迎えた年度の3月31日まで)の児童を養育している方に児童手当が支給される制度です。
現在16~18歳の子供がいる場合の税の負担を軽減する「扶養控除」は見直す方向での採決が濃厚です。
そして以前大問題となっていた、一部の高収入世帯には不支給(減額)としている所得制限は撤廃する方向です。
さらに岸田総理は、3歳から小学生までを対象に第3子以降の支給額を現在の1万5千円から3万円に倍増する方向で羅愛年度を目標に調整していると発言しています。
このように、対象となる年齢や、所得金額、1家庭当たりの子どもの人数によって違いがありますが、幼児や子どもが2人以下の家庭、所得が低い家庭は視界にも入っていないのかと疑問が膨らみます。
- 3歳未満:1万5千円
- 3歳以上小学校終了前:1万円(第3子以降は1万5千円)
- 中学生:1万円
ただし、児童手当は以下のように所得制限が設けられています。
夫婦どちらかがモデル世帯で年収960万円以上になると、所得制限の対象となるため「特例給付」となり、児童1人当たり月額一律5千円となります(※児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合)。
これから改めて政策をアップしていきます
第一弾は 東京における児童手当の所得制限の影響について
子ども2人・専業主夫/婦の世帯をモデルとした【年収1200万円で児童手当 廃止】が有名ですが、
子ども1人・共働きだと年収1124万円で廃止、
世田谷区で児童手当が廃止されたのは30.0%です pic.twitter.com/uwLaZgDPMB— そのべ せいや(世田谷区議・保育士) (@sonobe_tokyo) March 3, 2023
また、2022年10月からは目安年収1200万円以上でこの特例給付も廃止となり、児童手当を受け取れなくなりました。
あくまで個人の計算なので概算ではありますが、高校生まで年間12万の児童手当拡充となると、扶養控除がなくなるとどうなるのでしょうか。
- 税率20%の人:所得税7.6万+住民税3.3万の合計10.9万の増税。差し引いた金額+1.1万円
年間+11,000円
- 税率23%の人:120,400円増税
年間-400円
現在の扶養控除は子供1人につき、課税所得から38万円が差し引かれていますが、仮に高校生が年間12万の児童手当を支給されるようになり、いままでの控除38万がなくなってしまった場合は、私立高校無償化の対象が変わってくることになります。
高校生の1人当たりの扶養控除33万が減るので、私立高校無償化が対象外となる家庭が増えることが容易に予想されます。
関連記事:文部科学省「私立高等学校授業料の実質無償化について」
まとめ
少子化対策予算「約10兆円」目指す 2030年代までに倍増に向けて動いているそうですが、この10兆円が一体どのように適切に使われていくのか、注目したいですね。
「異次元の少子化対策」というくらいなのだから、未来を担う子供たちにはさらに「異次元」といえるような少子化対策をお願いしたいところです。
ネーミングだけ聞いてると、気を引くためとしか思えませんが、あいまいな政策を打ち出すなら、他の対策を誰でも分かりやすく作っていただきたいですね…
岸田文雄総理大臣は、お子様もいらっしゃいますし、家庭的な一面がある印象でしたので、特に子育て政策には一層尽力いただきたいところです。